JUGEMテーマ:旅行
奈良の夜は早い。
鞍馬から下山し、WD氏と別れ、近鉄奈良へ着いたのが20時過ぎ。
商店街のシャッターの多くは下がり、チェーン居酒屋程度が開いている。
「TKGさんどこですか?近鉄奈良駅で合流します?」
「お前こそどこだよ。もう宿じゃないの?」
「二月堂、めっちゃ夜景がきれいです。」
撮影:SSKくん 二月堂より夕日を望む
カメラ好きにして結構ロマンチストなSSKくんはこんな遅くに二月堂に上っている。
カップルの会話を聞きつつ、写真でも撮っているのか?
「鹿に食われないように早く下山してこい」
奈良旅の定宿にしている静観荘に荷を下ろし一息ついて、S君も戻ってきた。
「もう遅いからメシは近場で済ませよう」
選択肢はあまりない。
だが、ある。
「以前から気になっていた居酒屋のようなお好み焼き屋があるので覗いてみよう。」
21時を回っている。
おばさん一人、客はいない。
店の名前は「幸(さち)」。
良い店名だ。
「まだ、いいですか?」
「どうぞ、もう閉めることだったよ。」
鉄板カウンターである。
関西では、このような個人で切り盛りしているお店は当たり前にまだあるのかもしれないが、なんともいい感じ。
おばさんは、ややぶっきらぼう。店じまいして寝るところだったに違いない。
「何にするの」
「じゃー、肉玉、モダン、モダンはソバが入るやつ?俺は、やきそばも食べたい、豚やきそばにミックス・・」
「ちょっと、順番にたのみなよ」
「お好み焼きが、豚、ミックス、モダンの三枚。そしてシメに豚焼きそば2玉」
そんな感じで、おばさんが手際よく焼きはじめ、僕らは瓶ビールを呷る。
おばさんは焼きで忙しいので、ビールのお替りは自分らで冷蔵ボックスから出す。
小さい時分に、地元の駄菓子屋に1つだけ鉄板があって、叔父はおやつの時間になるとそこで240円のイカ入りのお好みやきと瓶ビールを嬉しそうに食べていた。
僕は、大きなエビせんべいを二つに小手でピシッと割って、おばさんが焼いた目玉焼きに、ソースぬって、カツオと青のりをまぶし、そのせんべいで挟んで食べた。
通称、卵せんべい。
そんな思い出話をしながら、焼き上がりを待つ。
疲れた体に粉モノがうまいことうまいこと、この上無し。
満腹となって、銭湯に立ち寄り、就寝。
※ミネラルとは何か?おっさんの出汁はしっかり出ていそうだが・・
翌日は、何はともあれ東大寺である。
D君は、「俺仕事休めないから、この旅では1泊しかできない。でも奈良に行きたい。」ということでの参加である。
しかも修学旅行を含め、東大寺には来たことがないという。
朝、早めに起床し、昨晩摂取したカロリーを消費すべく、春日大社を参拝して後、若草山に登る。
一番高い展望台まではかなりあるため、D君のみが思い出作りのために挑む。
僕らは下で寝っ転がって彼を帰りを待つ。
息を切らして戻ってきたところでそのまま下山し、南大門、東大寺、資料館、興福寺東堂、中金堂再建特別展示を駆け足で見てまわる。
見仏としては奈良国立博物館でやっている「快慶展」こそが目的であるが、見物ビギナーの2人に付き合わせる訳にもいかずなにより自分のペースでゆっくり見たいため別日に設定する。
巫女さんにトキメク
鹿に和む
南大門に圧倒され
時を超え想いに触れる
現役のメダル刻印マシーン(8bit)、謎のキャラクター
ノリで作る(メダル400円、チェーン(キーホルダー)200円、刻印30円)
ランチは奈良ホテルでカレーと決めていた。
天理在住のサイクリスト、TKIさんと合流する。
TKIさん、ラウンジで寛いでいた。今回は自転車じゃない。聞けば仕事上がりで来てくれたそうだ。
おっさん4人、メインダイニングの三笠にて「ビーフカレー(2,200円税サ別)」を注文する。
バナーがこっくりした欧風、さらにマンゴを入れて甘みをだした極上カレーである。
一口食べて、甘露。うまみと香りが脳天を突く。
二口食べて、病みつき。おいこれ止まんないぞ。
三、四、五口食べて、ややクドイ。
満腹、贅沢である。
TKIさん「せっかくだから、オッサン4人でドライブするか?見晴らし良いとこ行こう。」
レクサスの高級車で砂利道の登山道を駆け上がる。
その行先は若草山の展望台だった。
朝、DT君自走で登ったところだよねw
眼下には奈良の街並み、遠くに明日訪問する三輪三山の山山が連なる。
そしてDT君は充実した笑顔で帰っていきました。
いつもどおりJR東海ツアーズのぷらっとこだまプランで4時間。
京都の駅に降りたつと初夏の陽気というよりは、蒸した空気が暑苦しい。
三年ぶりにやってきました古都、オッサンたちでいく仏像めぐりツアー3泊4日の旅です。
新幹線の中、チケットおまけの缶ビールを飲みつつ
「Dちゃん、どこ行きたい?やっぱり三十三間堂とか、清水寺とか、あと東寺とか、修学旅行お決まりコースかね?」
と探りをいれると
「俺、鞍馬寺がいい」
と返答。
むむむ、さすが目のツケドコロが斜め上。
鞍馬寺かー、どこだっけ?
鞍馬の天狗、牛若丸、あと有名な毘沙門天さんがいらっしゃったよね。
ちょっと遠くないかな?
でも天気もいいし、山寺の新緑はきっと気持ちがいい。
スタートとしては、ふさわしいじゃないかということで、目的地は鞍馬寺で決定です。
され、京都でもう一人のオッサンと合流です。
SNSで知り合ったWさん。
もともとmixi時代からの仏友で、「いつかいっしょに見仏しましょうねー」と言葉を交わしてきたのですが、ついに実現しました。
ということで、仏マニアのオッサン2人とそれほどでもないオッサンの3人で出発。
京都駅南口から塩小路通を東に向かうと鴨川を渡ってすぐ、蓮華王院三十三間堂の裏(正確には表か?)を通過する。
荷物が重かったこともあり、歩きはじめて数分で汗がでる。
東大路通にぶつかって南に下ること数分、
「はも料理 魚市」に到着。
※公式HPより拝借
まずは腹ごなしをします。
「京都といえば鱧。ハモ食べたいのだよねー。」というDちゃんのリクエストに応えて予約してあります。
ハモってうまいか?
梅肉ソースの味しかしないイメージ。
どうせ食うならウナギのほうがいい。
いやむしろ鰻は大好物。
しかも季節的は出始め、旬ではない。
川床で艶っぽい女性と一緒にいただくならまだしも・・
でもDちゃんはどうしてもハモがいいと言うし、僕もこれまでちゃんと鱧を食べたことがなかったなー。
お店の佇まいからも信頼できそうだし、まあいいか。
暖簾をくぐると「おいでやす、ようこそ。」と愛想がいい。
ちょっとテンションがあがる。
鱧の落とし御膳3,500円をいただく。
まずはビールで火照った体をクールダウン。
厨房から、ザクザクと鱧の背骨を切っている小気味いい音が聞こえる。
そして、待つこと15分。
では、その鱧の落としをいただく。
二倍酢にワサビをのせて、ハムハムハム・・・
白身はたんぱく、皮の部分は、ぐにゅっとした触感。
骨切りがきちんとされているので、ほとんど意識できないほど。
魚身の風味がほんのり薫。
・・・・うまいか?
・・・・おや?
この風味を味わうことができない自分の舌を恨む。
3人の感想も弾まぬままにそそくさと店を出る。
「Dちゃん、どうだった?ハモ。」
「うーん、皮がいいね。」
「・・・まあ、いいや」
東福寺から出町柳まで行き、叡山電鉄(なんと良いネーミング)で鞍馬寺へ。
車両両窓がパノラマで、席も外側を向いている。みるみる緑が増えていく。
30分程度で終点鞍馬駅に到着。これほどお手軽に霊気満ちる場所に来ることができるとはすばらしい。
駅をでると大きな天狗がお出迎え。
雪で鼻が折れてしまって治療中だったことが海外で話題になったお方です。
二人組のお嬢さんが巨大な天狗の前で自撮りする。
その姿を見ているだけで、ワクワクするオッサン。
本殿まではかなりきつい山道、階段を上がっていく必要がある。
さすがにオッサンにはきつい。そこは無理せずロープウェイに乗る。
※公式HPより拝借
狛犬ならぬ虎があちこちにいます。モンスターっぽい造形が秀逸。
本尊毘沙門天のお使いで、毘沙門天さんは、寅の月、寅の日、寅の刻に出現するからだそう。
ふーん。
本殿参拝広場(金剛床というらしい)の中央には、パワースポットの目印としてがある。
「宇宙のエネルギーである尊天(毘沙門天)の波動が果てしなく広がる星曼荼羅を模し、内奥に宇宙の力を蔵する人間が宇宙そのものである尊天と一体化する修行の場となっています。」らしい。
Dちゃん、パワー充電しています。
本堂横、光明心殿には、松久朋琳作護法魔王尊を奉安されている。
いかにも山岳信仰っぽい。
こちらがサンスクリット語で「サナートクマラ」。鞍馬の語源になったとか、金星から650万年前に地球の悪魔を退治するために飛来したとか、すごい物語になっている。
「銀座くらま会」と天狗の顔になっている。いわば顔文字はこのころから日本人は使っている(´・ω・`)
さて、その先は奥の院への入り口。
危うく、スルーしそうになりそうなくらい看板も目立たない。
オッサンたちの顔色にやや疲れが表れているのが否めないが、肝心の毘沙門天、まだ見ていないよ。
少し先に進むと霊宝殿(鞍馬寺博物館)の看板が。250円払って中へ。
1階は、鞍馬山自然科学博物苑展示室。鞍馬の動植物の標本やパネル展示だけでなく、地質学、宇宙エネルギー?と小部屋ながらもスケールがデカい。館長の念いがギュっと詰まっている。
2階は、寺宝展観室として絵画・書・工芸・考古遺物、義経関連グッズが展示。
そして、3階が仏像奉安室。
国宝の毘沙門天三尊像に加え、等身サイズの毘沙門天立像が他に4体、まさに毘沙門ルームとなっている。
いずれも武将の格好をした厳つい姿だが、財宝の神。「よく聞く所の者」という名前の由来から四天王メンバーに入ったときは多聞天となる。
その国宝の毘沙門天は、左手は額の上にかざして眉間にはしわを寄せ、遠くを見つめている。北方警護に余念がない。
そして毘沙門天さんの目の表現がすごい。どうしたらこんなデザインを創造できるのか。
※公式HPより拝借
霊気とフトンチッドを体いっぱい吸い込んで下山。
途中にある由岐神社。
ご神木がすっと青空に伸びその姿からパワーが放出される。
そして我々の体内を渦巻いているのが見える。
でもオッサンたち3人は、ちょっと疲れたので、駅前の茶屋でしるこを飲んで一休み。
着信がある。その録音メッセージ、
「ちゃんぶーさん、電話つながらない。先に奈良に向かいます。」
もう一人のオッサンと合流する予定だったが、霊気と陽気で忘れていたww
土産屋も充実。巨大な天狗面も充実。
どこぞの商店街の看板にも天狗パワーが宿る。
先に奈良に着いたオッサンSくんと合流すべく、先を急ぐ。
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評価:
--- 小学館 ¥ 1,575 (2007-02) |
評価:
峰 如之介 ダイヤモンド社 ¥ 980 (2010-10-29) |
評価:
横内 裕人,佐々木 あすか,瀬谷 貴之,岩田 茂樹,藤岡 穣,山口 隆介 平凡社 ¥ 2,625 (2010-11-15) |
評価:
横内 裕人,佐々木 あすか,瀬谷 貴之,岩田 茂樹,藤岡 穣,山口 隆介 平凡社 ¥ 2,625 (2010-11-15) コメント:運慶、最高です。この一冊で運慶を満喫しましょう。 |